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昼間の脳と夜の脳

2011年12月19日

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図を見ていただくとわかるが、人間の脳(大脳)は、大きく二つに分かれている。
大脳辺縁系と大脳新皮質である。

大脳辺縁系は「古い脳」とも呼ばれ、魚類→両生類→爬虫類→鳥類と進化して、哺乳類で最も発達している。
役目は記憶と感情をつかさどること。
経験したあれこれを蓄えるほか、要するに怒りたいときに怒り、食べたいときに食べ、性欲のおもむくままに押し倒し、押し倒される、わがままな脳である。

これをすっぽり包み込むようにしているのが「新しい脳」とも呼ばれる大脳新皮質。
人間で最も発達しており、知性と創造性をつかさどる。
今、怒っていいのかどうか、食べるべきときなのか、押し倒し、押し倒されても差しつかえない状況にあるのかどうかといった、いかにも人間らしい思考や判断をする脳である。

こう説明すればもうお気づきのように、私たちは普通、昼間は大脳新皮質のお世話になっている。
そうでなければ、とても社会生活などできはしない。
仕事も勉強も知性によってはじめて成り立つものであるし、人間関係が円滑にとり結べるように、自らのわがままを押し殺してお付き合いをする。

もちろん、大脳辺縁系だって、昼間、眠り込んでいるわけではない。
上司に理不尽な怒られ方をするとカッと頭に血がのぼるし、夜のデートのことを考えて、ついニンマリと夢想にふけることもある。
が、そうなった途端、まさしく大脳新皮質が包み込むようにして、
「ここで売り言葉に買い言葉ではまずいぞ」
「いつまでもニヤニヤしてると、真面目に仕事をしていないと思われてしまうぞ」
と、無難に社会生活が送れるよう指令を発するのである。

ただし、人間は、知性と感情のバランスの上に成り立っている動物。
大脳辺縁系も、そういつも押さえつけられているわけにはいかない。
自分も主役になりたいと、虎視眈々、機会をうかがっている。

巷に夜の帳が下りる頃、その機会はやってくる。
職場や学校での緊張から解放されるとともに、わがままな脳が活躍を始める。
アルコールは、それを促進するのにもってこいだ。

なぜ、大勢のサラリーマンが仕事帰りに一杯やっていくかといえば、押さえつけられた大脳辺縁系が、首をもたげようともがくから。
しかし、居酒屋での侃々誇々の議論やバーでの甘いささやきは、ほんの準備運動に過ぎない。
理不尽な上司に勝手に天誅を加えたり、気の利いた会話に互いの胸をときめかせたりもするが、大脳新皮質もまだまだ頑張っていて、しきりに歯止めをかける。

その歯止めの声をかろうじて聞きつけ、やがて帰宅。
遅い夕食をとるなり、風呂に入るなり、あるいはテレビを観つつ女房の愚痴話に耳を傾けるなり、人それぞれであろう。
そして人みな寝静まった深夜、一人目覚めている自分に気づく。

そのときこそが、待ちに待った大脳辺縁系の独壇場。
隙を見ては口出ししようとする大脳新皮質をぐいと押さえ込んで、大胆な発想や断固たる決断に身をまかせるのである。

だから、たまにはいいが、たび重なる泥酔にはご用心。
せっかくの大脳辺縁系の活躍の場を奪ってしまっては、人間として半人前というものである。