R/C/T 残像メンタルトレーニング

R/C/T 残像メンタルトレーニング

高岸弘のコラム

2013.06.21
高岸弘のコラム

残像カードで「夜の思考」を

「ナイト・オフィス」の創設という私のプランは、建築家らしい「お遊び」かもしれない。
今のところ、たぶん、絵空事に類するものだろう。「お遊び」に付き合うだけの余裕のある大企業の経営者か、少々大がかりな模様替えならできそうな個人事務所の持ち主が、いくらか関心を示してくれれば「もうけもの」だ。

そこで、以下のページをもう一度振り返ってみよう。
「昼夜をともに知ること」
人間の脳における「昼の状態」と「夜の状態」の差異を列挙したところである。

初めから3つまでの「夜の状態」は、「全体としてリラックス状態」「集中力は『一点集中』優位」「脳波はα波支配」となっている。考えてみれば、これは、残像カードで得られる状態に似ている。集中状態にあるときはFmθ波が現れるとの実験結果を前に紹介したが、これとて、α波支配下を経ての出現と考えてよかろう。

とすれば、無理して建築家の「お遊び」に付き合わなくても、残像カードさえあれば、容易に「古い脳(つまり大脳辺縁系)」にお出ましいただくこともできそうではないか。

残像メンタル・トレーニングの成果が最も顕著に表れているのがスポーツ界だということは、すでに述べた。その理由として、スポーツは当面の目標が非常にはっきりしていること、結果が勝ち負けや数値となって端的に示されること、従って真剣にトレーニングせざるを得ない、ということを挙げた。

ここで、もうひとつ理由を憶測すれば、スポーツの原点は、人間の闘争本能を刺激することにとにあるだろう。闘争本能は、言ううまでもなく「古い脳」に拠ってくるもの。
残像カカードで脳の切り替えを行い、集中し、それが、昼間は「新しい脳(つまり大脳新皮質)」によって押さえつけられている闘争本能を呼びさますことにおのずとつながって、大きな成果を生むのではないか。

このように、残像カードで「夜の思考」状態に入れるなら、これは心強い。急に新企画の立案を命じられても、何も残業時間まで待つ必要はない。まぶたの裏に浮かんだ残像を追いかけることによって、脳を切り替え、集中を得るとともに、姿を現した「古い脳」に身をまかせていればよいのである。

もっとも、私の場合は逆である。ほぽ常時「夜の思考」モードにある私のオフィス空間では、「昼間の思考」モードを獲得することのほうが難しい。
放っておいても残像が長時間浮かんでしまうから、この頃はできるだけカードを遠ざけている。

たまに、疲労のせいか残像が短時間しか浮かばないときがある。そのときこそ、事務処理や得意先へのご機嫌伺いの電話に精を出して、「新しい脳」に存分に活躍していただくのである。

商品のご購入はこちら
TOPへ