ある団体のコーポレートマークを制作中に偶然体験した「残像」の精神コントロール効果と、本職である建築設計、特に住宅内での空間が人間に及ぼす精神コントロール効果。
その二つの効果を、元日本テニス協会常務理事であり、ナショナルチーム GM であった小浦猛志氏と共にスポーツメンタルトレーニングとして体系化したのが 1994 年の事。
それまで日本でのメンタルトレーニングは主にアメリカの心理学者が唱える複雑なメソッドが主流となり、日本人には理解しにくく難解なものとなっていたようです。
しかし私たちが体系化したメンタルトレーニングは非常に簡単です。
私たち日本人がもともと持っている基本的思考順序「平常心」になり「無心」になり「克己心」を呼び起こす。 言葉を変えて言うと「リラックス」「集中」「目的意識」このたった“三つ”の要素をそれぞれ自分の思いのままに動かす事を目標にすることから始まります。
建築家とメンタルトレーニング
さて私は建築家。
「建築家が何故メンタルトレーニングなんだ」と考えている人は多いと思う。
建築設計業務と、スポーツメンタル、一見何の関係もないように思われるだろうが、実は両者には不思議なことに・・・いや何も不思議なことではなく密接な関係がある。
さて、もう古い話になるのだが、あのプロテニス選手伊達公子の専属コーチで有名な小浦猛志さんからこんな質問を受けたことがある。
プロテニスコーチからのこんな唐突な質問に対し
家庭内で起こる諸問題に対して“集中”して考える事が出来る空間は絶対要るし、家族全員が集まり、それぞれの“目標”を考える空間も必要。
また、仕事や学校で疲れて高ぶった“感情を優しくコントロール”出来る場所も、仕事や学習に対し“プラス思考”を起こさせる空間もあればいいですよね。
そして家族それぞれが“良きコミュニケーション”が取れる場所設定や将来を“前向きなシミュレーション”での盛り上がりも想像すると楽しいです。
豪邸、小さな家関係なしで、このようにしっかりと空間の中で7つの要素を入れた住宅で育った人は社会に出るまでにはもうメンタルの基本は出来上がり、社会の中で何のストレスも感じることなく自分の能力を発揮できるのです。
最近は、建築設計をアート作品だ!と思い込み見た目のカッコ良さだけしか考えない建築家が多いのですが、本来人間がそこに住み身体的快適さだけでなく精神面での健康を考えた空間の集合体でないといけない。この考え方は私が考え出したのではなく、12 年間いたイタリアの建築設計事務所で教わったことなんです。
(1997/8/22 高岸弘著「思いのままに脳を動かす“残像力”」講談社刊に詳細有り)
それに対し小浦猛志さんは
「それ、これからのスポーツ界に必要になるメンタル要素と、全く同じ!」と、えらく感動され意気投合!
そこにスポーツトレーナーとして阪神タイガースなどで活躍された椙棟紀男氏が加わり、NECや大阪府大などの協力のもと本格的な「スポーツメンタルトレーニング7つの要素」の開発が始まったのです。
メンタルトレーニングとは?
さて、今やスポーツの世界だけのものではなくなった「メンタルトレーニング」とはどう言うことをさすのでしょうか?
簡単に説明しますと・・・・
「ここ一番という時に、自分の持っている”力”を 100%出し切れるようにする事」
その為には、長年に渡って習得した「技術力」そして、十分に鍛えられた「体力」をここ一番!という時に最高の状態にもって行くが必要となります。
その技術力、体力を自在にコントロールするのは「脳」。
そう、メンタルトレーニングとは「脳」をトレーニングすることなのです。
「脳」をトレーニングする方法とは?
ではこの三つの要素をどう使えば自分の持つ“力”を 100%出し切る事が出来るのでしょうか。
まず、取り掛かる前に、自分に合った「目標」を持っている事が必要条件ですが・・・
(1) いつでもどこででも「リラックス」出来る方法を、自分のものとする。
(2) いつでもどこででも「集中」出来る方法を自分のものとする。
(3) いつでもどこででも自分の「目的、目標」を意識上に登らせておく。
習得するのはリラックス、集中、目的意識・・・たったこの三つだけ。
何故なら、この世で起こる精神的トラブルの原因は全てこの三つの要素が欠落しているためです。
・最悪のピンチになったとき、頭が真っ白になって緊張で身体が動かず・・・・
この時「リラックスする方法」を知っていたらどうでしょう?
・最大のチャンスが訪れた時もう一つ前向きになれずミスを連発・・・・
この時「集中する方法」を知っていたらどうでしょう?
・自分にとって重要な授業の講義を聞いているのに雑念に侵され・・・・
この時「目標を意識上に上げておく方法」を知っていたらどうでしょう?
ここ一番と言う時にこの三つの要素さえ自在に操る事が出来れば過度の緊張や雑念、そして恐怖や不安感に振り回されることなく本来の自分が持っている”力”100%を発揮することが出来るのです。
いわゆる目的に対し常にピントの合った思考、行動が出来るのです。
そこで私たちは、人間誰でも太陽などの光を見る事で体験した事のある「残像」と言う現象を使い、自在に R(リラックス)C(集中)T(目的意識)出来る方法を考え出したのです。
それが私たちの啓蒙する「残像メンタルトレーニング」が持つ効用であり、全てです。
あらゆる業界で導入されている「残像メンタルトレーニング」
いまやこの「残像」を活用したメンタルトレーニング法は、スポーツで得た実績とエビデンスをふまえビジネス界、教育(幼児教育)界へと広がりを見せています。
この今までに無かった新しいトレーニング方法、始めから疑問や不信感を持たず、まずやってみる事です。やって自分に合わない、また成果が出ないと思えばやめれば良いのですから。
このトレーニング方法を自分のものとし、間違いや、失敗、それにやり直しなどの無い世界がどれほど素晴らしいものかを実感していただきながら夢のような自分の目標をスムーズに達成していただけること、心から願っています。